「朝に満タンまで充電していたバッテリーが、夕方前にはもう数パーセントにまで減っている……」
こうしたトラブルが発生する理由には、バッテリーの劣化や、スマートフォンの電力消費量が関係しています。さらには、ウイルスが原因の可能性もあります。そこで今回は、スマホの充電の減りが早くなる原因や、その対処方法についてまとめました。バッテリーの持ちの悪さにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
まずはバッテリーの経年劣化を疑おう
スマホ充電の減りが早いケースでもっとも疑われるのはバッテリーの経年劣化です。iOSとAndroid OSには、バッテリーの状態を確認できる機能が備わっているため、まずはこちらを確認しましょう。
iPhoneのバッテリー状況の確認
- 設定アプリを開く
- 「バッテリー」を選択してタップ
- 「バッテリーの状態」をタップ
- 「最大容量」と「ピークパフォーマンス性能」の項目を確認
iPhoneの場合は、結果に具体的なコメントが表示されます。とくに「ピークパフォーマンス性能」の項目が参考になるため、確認しておきましょう。
Androidのバッテリー状況の確認
- 設定アプリを開く
- 「端末情報」をタップ
- 「バッテリー情報」(もしくは電池性能表示など)をタップ
- バッテリー性能の項目を確認
なお、Androidの場合は機種によって結果の表示が異なります。バッテリーが良好な状態は「80%以上」、劣化してきている状態は「80%未満」です。また、「60%」未満の場合は交換が推奨されます。
新品なのに充電の減りが早い場合は?
まだ購入して間もない新品のスマホで充電の減りが早いというケースでは、バッテリー劣化以外の原因が疑われます。以下は、その代表例です。
OSの設定の確認
スマホの電力消費が大きいと、充電の減りも早くなります。そこで確認したいのがOSの設定です。
画面の明るさ
電力消費に大きく関わる要因のひとつが「画面の明るさ」です。液晶の照度を必要以上に明るくしていると、充電が早く減る原因になります。
OSのアップデート
購入したてのスマホには、古いバージョンのOSが搭載されている可能性があります。バグのあるビルドだと消費電力が大きくなったり、バッテリー容量を誤認したりするケースもあるため、早めにアップデートを済ませましょう。
アプリの設定の確認
アプリのなかには、大きな電力消費を必要とするものがあります。たとえば以下のような機能は、スマホの充電の減りを早める原因になりえるため注意が必要です。
バックグラウンドでの動作
ナビアプリや天気アプリは、位置情報を自動で取得する機能が備わっています。便利な機能ではありますが、バックグラウンドでアプリが動作しているとと、それだけ長い時間スマホの電力が消費され続けてしまいます。
プッシュ通知
アプリのプッシュ通知でも電力は消費されます。データ通信が行われる場合もありますし、何よりもスリープしていたスマホが作動してディスプレイライトが光ってしまいます。購入したスマホにプリインストールされているアプリのなかで、頻繁にプッシュ通知を行うものがあれば、これがスマホの電力消費を大きくしている可能性があります。
ウイルスに感染している可能性も?
バッテリー劣化もなく、OSやアプリの設定を見直しても充電の減りが早い場合には、スマホがウイルスに感染している可能性もないとは言い切れません。
ウイルスに感染したスマホは、外部へとデータを送信したり、GPSや音声機能を常時作動させたりといった悪さを行います。そうした挙動によって、スマホの電力が消費されてしまうのです。また、勝手に電源がON・OFFになるといった事例もあるようです。
なお、「バッテリーの減りが早くなる」といった問題は軽微なものに過ぎません。むしろ、自身だけでなく、友人や家族、同僚などの個人データが抜き取られてしまうことが問題です。
明らかにバッテリーの消費量が大きい場合は、不要なアプリがダウンロードされていないかなどを確認してみましょう。
充電の減りを改善する方法
スマホのバッテリーを長持ちさせるには、充電の方法や端末・アプリの見直し、バッテリー交換をするのが効果的です。具体的な対策についてお伝えします。
電池を使いきった後で充電するのがおすすめ
スマホのバッテリーには主に「リチウムイオン電池」が採用されています。軽量で電圧が高い点が大きな魅力ですが、充電サイクルが500回を超えると大きく劣化してしまうという特徴もあります。
そこで気をつけたいのが継ぎ足し充電です。たとえば、電池残量が80%のときに充電を行ったとしても、電池残量が0%のときに充電を行ったとしても、充電サイクルとしては1カウントになります。バッテリーの劣化を遅くしたいのであれば、ある程度までバッテリーを使った時点で充電をするのがおすすめです。
ただし、充電を完全に使いきった状態で長期間放置すると過放電という状態になり、バッテリーの劣化が早くなってしまいます。数時間程度であれば問題ありませんが、できる限り早めに充電を行いましょう。
また、リチウムイオン電池は高熱に弱いという特徴もあります。スマホを充電しながら操作している際に、本体が熱くなりすぎていたら注意が必要。温度が下がるまで、いったん充電ケーブルを抜いておきましょう。
端末の設定の見直し
充電の減りを遅くするためには、消費電力を抑えるのが効果的です。いくつかの方法をご紹介します。
低電力・省電力モードを活用する
スマホには電力を抑えて動作する「低電力モード」や「省電力モード」があります。設定を行うと、通信量や画面の明るさを自動で抑えてくれます。また、画面を自動で暗くしたり、スリープ時間を早くしたりといった動作に切り替わり、消費電力を大幅に抑えられます。
WI-FI・Bluetoothを切る
通信には多くの電力が使用されます。とくにWI-FIに接続していない状態で機能をONにしていると、接続できるWI-FIを探し続けるため消費電力が増えてしまいます。WI-FIやBluetoothを使わない場面であれば、設定をOFFにしておくことでバッテリーを節約できます。
バックグラウンド更新をオフにする
アプリのアップデートは快適なスマホ利用に重要です。しかし、バックグラウンドで更新作業が行われると消費電力が増えてしまいます。使っていないアプリがあるのなら、アンインストールするか、バックグラウンド更新をオフにしましょう。
OSのアップデート
古いバージョンのiOSやAndroid OSをアップデートせずに使い続けていると、バッテリー消費に異常が起こる可能性があります。できる限り、最新のOSへバージョンアップするようにしましょう。
アプリの設定の見直し
iPhoneやAndroidスマホには、消費電力の大きいアプリを一覧表示してくれる機能があります。そのリストを確認して、アプリ設定を見直していきましょう。
変更したいのは「バックグラウンド更新」「プッシュ設定」「位置情報サービス」などの項目です。使用していないときの動作を制限することが重要になります。
なお、しばらく使っていないアプリについてはアンインストールしてしまうのがおすすめです。無駄な電力消費を抑えられ、端末の容量も確保できます。
バッテリーの交換
スマホを長年使い続けている場合は、バッテリーが消耗している可能性があります。充電容量が少なくなるため、体感としてバッテリーの減りを早く感じてしまいます。
メーカーの多くはバッテリー交換を請け負ってくれるので、これからも使い続けるのであれば問い合わせてみましょう。なお、保証期間内であれば無料で交換ができるケースもあります。
充電の減りの原因を知って適切な対処をしましょう
解説のとおり、充電の減りが早くなる理由は、主にバッテリーの劣化とスマホの消費電力によるものです。どちらが大きな原因になっているかが分かれば、適切な対処も可能になるでしょう。充電が持たない状態では、快適にスマホを使えません。ぜひ今回の記事を参考に、スマホの充電の減りを改善してください。